村上春樹ごっこをして楽しもう!やれやれ、暇な日曜日には最適だよ。
みんな好きですよね? 村上春樹の小説の世界が。
ヤクザ映画を観た帰り道、映画館を出た瞬間から、目付きが悪くなり、いかり肩で肩風切って歩いちゃったり、無意味にガン飛ばしたり。
スパイ映画を観たあとに、ときどき突然振り返って尾行を確認してみたり、部屋の盗聴器を探してみたり。
そんな感じで映画や物語の影響をモロに受けちゃう人の話はよく聞きます。
もちろん僕もそうです。影響、受けやすいです。
ハルキストは、同じように ───
村上春樹の小説を読んだあとに、主人公や登場人物に感化されちゃう人も多いのではないでしょうか。
少なくとも僕はかなりそういう傾向にあり、村上春樹の本を読み終わってから1ヶ月ぐらいは余裕で続きます。余韻、とでもいいますか。
- 普段、全然しないことをしてみたり (料理とか?)
- 普段、聴かないものを聴いてみたり (クラッシックとか?)
- 普段、読まないものを読んでみたり (海外の文学とか?)
- 普段、飲まないものを飲んでみたり (ジントニックとか?)
- 普段、食べないものを食べてみたり (クラッカーとか?)
それはそれで充実した日々です。飽きません。
だったらいっそのこと、もっとしっかり村上春樹ごっこして楽しんでみましょう!
- 一人称を「僕」にしてみよう。
- プールに行って泳ごう。
- FMでクラッシックを聴きながら、スパゲッティを茹でてみよう。
- 仕立ての良いコットンのパンツを穿き、白いスニーカーを履いてみよう。
- バーに寄り、ビールを飲み、ソーセージに齧りつこう。
- 決して美人ではないけど、どこか魅力的で僕にとってはチャーミングなショートカットの似合う、利発的だけどそれでいて影のある娘と偶然知り合ってみよう。そしてすぐに仲良くなろう。
- ドストエフスキーとか読んでみよう。
- 口癖を「やれやれ」にしてみよう。
- 井戸の中に入って篭り、いろいろ考えてみよう。
- 小腹が空いたらクラッカーにチーズを挟んで食べよう。
- Yシャツにアイロンくらい自分で掛けよう。
- 本格的にお腹が空いたら、サンドウィッチを作って食べよう。
- 英語以外の外国語の不規則変化動詞を暗記しよう。
一人称を「僕」にしてみよう。
小説の中の登場人物(主人公)が男性の場合のひとり語りの部分の一人称は、ほぼ「ぼく」だと思います。
僕は文章で書くときこそ一人称は「僕」ですが、普段は「オレ」だけど、仕事のときは「私」かな。でも最近若い人で「僕」を使う人、多いような気がします。
普段「オレ」と言ってる人が「僕」に変えただけで他人の受ける印象はかなり異ったものになると思います。
決して悪い印象にはならないんじゃないかな、と思います。
やはり御本人の一人称は「ぼく」でした。
ラジコのタイムフリーで聴いてみました。
やはり村上春樹の一人称は「ぼく」が似合うと思いました。
たとえば北方謙三だったら「オレ」が似合うように。
プールに行って泳ごう。
小説に登場する主人公はよくプールに行って泳ぎます。これは村上春樹自身がそうだからでしょうかね。
そうだ、僕も行ってるじゃないか。週イチぐらいで。目的はダイエットだけど。
エッセイで、何キロも泳いだという記述があったと思います。凄いな、羨ましい。
FMでクラッシックを聴きながら、スパゲッティを茹でてみよう。
常にアルデンテを意識しながら。
でね、しばしば迷惑な電話とか掛かってくるんですよね。そこからストーリィが展開するとかしないとか。
無言電話には付き合ってあげましょう。その場合、アルデンテは諦めましょう。
ソースはもちろん手作りで。トマト缶とか常備しとかないといけません。
仕立ての良いコットンのパンツを穿き、白いスニーカーを履いてみよう。
パンツはラルフ・ローレン?そしてリボン・ベルト?
きっとスニーカーは、スタン・スミス?キャンパス地であればジャック・パーセル?
パンツはしっかりプレスされていて、スニーカーは新品じゃなくても真っ白いものを。
英単語を重ねて表記するときは「・」を間に用いることを忘れない。
バーに寄り、ビールを飲み、ソーセージに齧りつこう。
ついさっき買った面白そうな本を読みながら。
小奇麗な女性の熱い視線を感じながら。(妄想)
でもそんなのは無視して活字に集中しましょう。
焼酎のお湯割りとか、日本酒のぬる燗とかは呑まないんでしょうかね。
おでんとかモツの煮込みとか食べないんでしょうかね。
決して美人ではないけど、どこか魅力的で僕にとってはチャーミングなショートカットの似合う、利発的だけどそれでいて影のある娘と偶然知り合ってみよう。そしてすぐに仲良くなろう。
いえいえ、佐藤栞さんは美人だと思いますよ。
もちろん、向こうの方から声を掛けてくる、的な。
で、どうやって?
主人公は、やたらとモテます。
とにかくモテます。これはどうやって「ごっこ」をすればいいのか。
妄想か?妄想するしかないのか?
主人公は、無口でも面白いことを言わなくとも、(おそらく)それほどイケメンでなくてもとにかくモテモテなのです。今流行の塩顔の雰囲気イケメンなのかな。
きっと素敵なフェロモンが溢れ出てるんでしょう。
ドストエフスキーとか読んでみよう。
「罪と罰」ではなく「カラマーゾフ兄弟」とか。
普段だったら絶対に読めないけど、感化されてる時期だったら、とりあえず1巻買ってみようかという気になるかもしれない。そして、兄弟の名前を全部覚えようという気になるかもしれない。スメルニコフしか知らんし。
口癖を「やれやれ」にしてみよう。
どの小説の主人公も「やれやれ」と言います。別に完全に社会に対して失望しているわけではないけど、よく言いますね。きっとそれは、自分への戒めなのでしょう。
村上春樹さんも言うのでしょうか。「やれやれ」
外国語に翻訳されている場合、たとえば英語ではなんて言うのでしょう?
井戸の中に入って篭り、いろいろ考えてみよう。
でもだいたいにして井戸を探すのが大変。それに酸欠とか生命に関わりそうです。
確か「ねじまき鳥クロニクル」の主人公は、降りてきたロープを取られ、おまけに入り口に蓋をされてました。僕は極度の閉所恐怖症なので、すぐに発狂して、ツメが剥げるほど壁を掻きむしって登ろうとすることでしょう。
どうだったでしょうか、もちろん結局は地上に出ることができたけど、そのときも「やれやれ」とか悠長なこと言ってたかな。すげーな。
なので、押し入れの中とかクローゼットの中とか、狭くて薄暗くて湿っぽくてカビ臭いような、似たようなシチュエーションのところを探してやってみる。
インド行ってガンジス川で沐浴したり、ヨガしたりするよりも、自分探しには最適かもしれません。きっと。
小腹が空いたらクラッカーにチーズを挟んで食べよう。
えーと、ナビスコ・リッツではなく、ルヴァン?
あの人の変わり身の早さを参考にしよう。ほんと早かった。まああの人のせいじゃないけど。
ルヴァン、買って食べてみました。
八角形です。なんとなくクラッカーは円形がいいような気がしました。
あとちょっとリッツよりも甘いかな。好き嫌いが別れるところ。
Yシャツにアイロンくらい自分で掛けよう。
趣味のように、Yシャツにアイロンを掛けてみましょう。
いろいろと考え事をしながらする作業としては最適かもしれません。
しっかりとプレスの効いた、パリッとしたオックスフォード生地のボタンダウンシャツなんて着てたら、いかにも「らしい」です。
ところで、Yシャツにアイロンを掛けてるシーンはいろいろな小説の中に出てくるけれど、洗濯しているシーンはそういえばないかもしれないなあ。
格好悪いかな、Tシャツをパンパンとして干してるところなんて。
わたせせいぞうの作品では結構あったけど。
本格的にお腹が空いたら、サンドウィッチを作って食べよう。
トマトとレタスとベーコンも常備しておかないとね。
食パンの耳は、切り取る派だろうか、それとも付いたまま食べちゃう派だろうか。
まさか油であげてお砂糖まぶして食べたりしてないよね。
村上春樹がね、まさかね。
英語以外の外国語の不規則変化動詞を暗記しよう。
将来、全く役に立たないかもしれないし、もしかしたら突然、マルタ島に行くことになったりするかもしれませんし。
時間を持て余す、ということがなくなります。物凄く詰まらないと思いますが。
初めてドイツ語を学んだ時、どうして不規則なんだ!と憤ったことを思い出しました。
Last update 2018/8/8
まだまだ続けます。思いつく限り。思いついた時に。
なんとなく「村上春樹あるある」になってるような気がするけど。
やれやれ。
ではでは。
多崎つくるのAmazonのレビューでたくさんの共感を呼んだ人が本を出版。 こういうデビューの道もあるのですね。装丁が秀逸だと思います。