村上春樹|騎士団長殺し:第1部 顕れるイデア編|を今 読んでいる。
届きました。「騎士団長殺し」
発売日の翌日、2月25日、土曜日にアマゾンから届きました。ゲームソフトみたいに発売日当日に届くことを少し期待してたのですが。
発行部数は初版だけで2冊合わせて130万部だそうです。
<下世話な話>
新刊書き下ろしで、村上春樹というネームバリュバリューだったら印税は10%を切らないでしょ。んで、1冊2,000円弱。
Σ( ゚Д゚) スッ、スゲー!!
そして当然、版は重ねるだろうし、いずれは文庫、はたまた映画化。さらにこの流れは日本だけに留まらない。
(;゚д゚)ゴクリ…
</下世話な話>
本日土曜、自分としては結構な時間を確保し読んでましたが、どうやら読むスピードはかなり遅い方で、やっと第1部 顕れるイデア編を半分弱ほど読み終わったところかな。
ちなみに、
第1部「顕れる」は「あらわれる」
第2部「遷ろう」は「うつろう」です。どうも覚えられないな。
感想は全部読み終わってから書くとして、これまでのファーストインパクト(?)的なものを。全くネタバレはありません。バラせるほど読んでません。
影響、受けやすいです。
いつも村上春樹の本を読み始めると、登場人物、主人公に影響を受けて、テレビを観なくなったり、スパゲッティをソースから作っちゃったり、クラッシック音楽を聴いたり、ラルフ・ローレンを着たり、レモン・キャンディーを舐めてみたり、英語の単語と単語の間に「・」を挿入したりしてました。流石にプールに行って何キロも泳いだりはしなかったけど。やれやれ。
でも今回は、主人公のシャレオツ感は控えめの様な気がします。
そして今回はあまり影響を受ける要素がないような気がします。結構普通の登場人物です。あいかわらずモテモテみたいですけどね。これまでの作品は自叙伝的な要素もあったろうけど、ということは村上春樹はモテモテだったのかな。女の子に困らない生活。向こうから寄ってくる環境。ウラヤマシイ。
今回の一人称は「私」です。
これ、なんか意外。勝手に「ぼく」だと思ってました。「ぼく」の連呼、たまりません。記述だから「私」であって、普段は「おれ」と言っているようです。
主人公は離婚した中年の男性。職業、画家。腕のいい肖像画家。
数年前の回顧録、という形をとってます。
友達から山のてっぺんにアトリエ兼用として借りた家に一人で住んでる。
さっそく 一
まだ始まったばかり、17ページにこんな記述が。
妻と別れてその谷間に住んでいる八ヶ月ほどのあいだに、私は二人の女声と肉体の関係を持った。どちらも人妻だった。一人は年下で一人は年上だった。どちらも私が教えていた絵画教室の生徒だった。
やっぱりねー、うんうん、そうだよねー。
村上春樹の小説の楽しみの1つといえば、その巧みな比喩表現だと思います。
所謂メタファー。初期の頃よりはその頻度は減ったと思いますけど。
今作も少ないかな。
第1部 P22
やがて一枚の肖像画を仕上げるのにそれほど長い時間はかからないようになった。オート・パイロットで飛行機を操縦しているのと変わりない。
第1部 P29
私は彼女の言葉の微妙な音調を測ってみた。卵を手のひらに載せて重さを確かめるみたいに。
第1部 P32
私はこの女のことをほとんど何も理解していなかったんだと。人が毎晩のように空の月を見上げていても、月のことなんて何ひとつ理解していないのと同じように。
第1部 P35
三月の冷ややかな雨はまだ音もなく降り続いていた。プジョーのワイパーは老人のかすれた咳のような音を立てていた。
第1部 P73
そして我々は少し時間を置いてから、もう一度資源の入り組んだ仕分けに意欲的にとりかかった。
第1部 P86
原因のない結果はない。卵を割らないオムレツがないのと同じように。
なんだ、意外とたくさんあるじゃない。
引用、追加します。2017.03.14
p>第1部 P109
その多くは洗いざらしのジーンズとすナイキのスニーカー、くたびれたTシャツにバナナ・るろリパブリックのジャケットという格好で仕事をし、スターバックスのコーヒーを紙コップで飲むことを誇りとするような若い連中だ。
そうそう、らしいらしい。こんな感じの比喩が好き。
p>第1部 P109
そのうちに小腹が減ってきたので、台所に行って、トマトケチャップと皿に盛ったリッツ・クラッカーを持って戻ってきた。そしてクラッカーにケチャップをつけて食べ、また絵を眺めた。そんなものはもちろん美味くもなんともない。どちらかといえばひどい味がする。しかし美味くても美味くなくても、そのときの私にとっては些細なことだった。
これはメタファーではないけれど、ザ・村上春樹って感じがします。リッツにケチャップ付けて食べてる人、見たことないです。でも、ひどい味って書いてますね。ほら、アメリカ人は豆腐にケチャップかけて食べてるっていうじゃないですか!
装丁はどうだったかというと、
僕はあまり好きではないなぁ。
「ノルウェイの森」のときのインパクトはないし、「ダンス・ダンス・ダンス」のときの楽しさもない。鈴木成一さんのとこでやればいいのに。
「ノルウェイの森」のとき思いましたが、帯も含めて装丁のデザインなんだなと。赤と緑のシンプルな表紙に金色の帯はインパクト大でした。
ゆっくりと読みす進めることとします
早く読むなんて、もったいない、もったいない。速読法ってもてはやされてるけど、詰まらないメソットだと思います。
駄目ウーマン。アナタは、楽しみしていた映画を、早送りで観ますか~!?
個人的感想は後程。
海辺のカフカの頃から気になっていた、商品名の羅列は殆どありませんでした。覚えているので、カローラ・ワゴン、とかミニ・クーパー、プジョー205、ボルボくらいかな、いまのところ。自動車ばっかりじゃないか。
海辺のカフカでは商品名がガンガン出てくるのはじ嫌いゃありませんでしたけど。「MDウォークマンで音楽を聴いた」とかいう表現は「なんかレコードで聴いた」というのよりも古臭く感じてました。
今作では、ベートーヴェンやシューベルト、それに、ローリング・ストーンズやシェリル・クロウの音楽が出てきます。
あとは変わったところでは、シャイニングとか、ジャック・ニコルソンとかかな。
今のところそんな感じ。
先が気になって気になって、寝る間も惜しんで一気に読破って感じではないです。
決して詰まらないわけじゃないけれど、むしろ最近の数作の中では1番だと思うけど、他のいろいろ興味のあることをしながらでもちょいちょい読書出来る感じが自分には心地良いです。
これがKindle版だったらねぇ。持ち運びも楽だったのに。
ではでは。
こちらもよろしく。